必死で、ばいきんまんがカバオと遭遇する場面を考えてみる。
どうやったら逢える???
バイキン城は遠い(と思う)ので、カバオが1人でバイキン城に行く手段はない。(こういう時は、やっぱりアンパンかドキンになっていればよかったのにと思う)ばいきんまんが、偶然その辺をバイキンUFOで飛んでいたとして・・・
やっぱり食べ物だろうか。
なにか食べるものを持って無防備に歩いていれば、奪いに来てくれるかもしれない。
と言うより、それ以外は思いつかない(爆
なにがいいかなぁ・・・
愛しのばいきんまんに食べてもらうのだから、何か特別な・・・
そう、特別。 ずっと、ず〜っと逢いたかった特別なヒトだから。
しばらく考えた私は、自分で作った物を食べてもらいたいと思い始めた。
自分で作れるもの・・・
きっと甘くておいしいものがいい。
デザートか・・・
できればあまり時間をかけたくない。
色々考え、自分が一番得意なデザートを思い浮かべた。
材料と、作り方と・・・
必要なものを考える。
でも、どこで作ろう???
カバオの家で作ったら、きっとカバオのお母さんがびっくりしてしまうだろう。(だってカバオだし)他に・・・材料とか揃ってそうで、なんとなく内緒にしていてくれそうな・・・
あっ!!!!
私の脳裏に思いついたのは、他でもないあの場所。
きっと今の時間なら、あそこにいるのは2人(と1匹)。あの人たちなら、口も堅いにきまっている。
そう、本来の職業がなんなのか分からなくなる位、なんでも出来るスペシャリスト・・・
あの人がいる、お馴染みのあの場所。
私は、パン工場に向かった。
少し町から離れ、ちょっぴり道に迷ってしまったものの、なんとか自力でパン工場にたどり着くことができた。
まずは、窓からこっそり中を確認。ちょうど、例のあの場面だった。
「それじゃぁ、パトロールに行ってきます」
「気をつけて行ってくるんだよ」
慌てて近くの茂みに身を隠し、アンパンマンが煙突から飛び出して行くのを見送った。間一髪。アンパンマンに知られたくなかった(なぜだろう???)
すっかりアンパンマンが見えなくなってから、私はパン工場のドアをノックした。
「はーい」
中から出てきたのはバタコさん。
「あら、カバオくん。どうしたの?」
どう切り出せばいいのか分からなかった私は、思わずうつむいてしまった。
そんな私を見て首をかしげたバタコさん。
「どうしたんだい?バタコ」
「それが・・・」
中にいるジャムおじさんが、気にかけてくれている。
「まぁ、とにかく中へ」
「そうね。さぁ、中に入って」
私は何も言わずにパン工場の中に入っていった。
どうしよう・・・何て言えばいいんだろう。
「どうしたの?カバオ君」
いつまでもこうしていても仕方が無い。決めた以上、やるしかないんだ。
「プリンを・・・」
「プリン?」
「・・・作ろうと思って」
私の言葉に、バタコさんがジャムおじさんの顔を見た。
「作り方は分かるかい?」
勿論。私は頷いた。
「それじゃあ、ここにあるものは好きに使っていいよ」
ジャムおじさんは、何も聞かなかった。
カバオがプリンなんて作れるハズないでしょ?
なんで何も聞かないの?
戸惑っている私に気づき、
「じゃあ、私は洗濯物を干してくるわ。
チーズも手伝ってね」
「アンアン」
バタコさんはチーズを連れてパン工場を出てくれた。
ジャムおじさんは、相変わらずなにも言わずに何かを作業台の上に並べている。
牛乳・砂糖・卵、小さなビンは、バニラエッセンスかな?
ここまできたら、もうやるしかない!!
私は唯一得意だと言えるデザートを作り始めた。
あの、ジャムおじさんの見ている前で。
問題点はただ1つ。カバオの手は使いづらいということだけ(だって、カバの手だよ?なぜか某ネコ型ロボットのように物が手にくっついてるみたい。握れないから/笑)
ちょっぴり苦戦しつつ、それでもちゃんと出来上がり・・・最後に上に乗せた砂糖をバーナーで炙って完成。
なかなかうまく出来たと思う。
「さぁ、これで持って行くといい」
ジャムおじさんが差し出してくれたのは、時々アニメで見かけたバスケット。
「ありがとう、ジャムおじさん」
出来上がったばかりのプリンを入れ、準備は完璧!
「頑張るんだよ」
何をどこまで知っているのか・・・恐るべし、ジャムおじさん(笑)
こうして、私は、壮大な計画(どこが?)を実行する為に、のんきに歩き始めた。
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