食事が終わって一息ついたとき、
「そんなにのんびりしていると、学校に遅れるわよ」
とカバオのお母さんに言われた。
そっか・・・学校に行かなきゃいけないのか(ハァ/溜息)
あまり気がすすまなかったが(だって、早くばいきんまんに逢いたいのに、こんなことしている時間がもったいないでしょ?)一応、今の私はカバオなので、とりあえず学校に行ってみることにした。
学校の行き方も持ってく物も分からなかったケド、みんなが迎えに来てくれたおかげでなんとかなった。
だいたいカバオはボケキャラだから、忘れた振りして聞いても不審がられずにすんだ(よかった♪)いまいちみんなの名前が分からないケド、まぁ、なんとかなるでしょ(大丈夫か?!)
メジャーなキャラしか分からないって、普通。
こんな感じで、おしゃべりしながら楽しく登校した。
学校っといっても、難しい勉強をするわけではなく、どちらかといえば幼稚園のノリ。みんなで仲良く遊ぶ所みたい。(まぁ、ここにいる生徒がいったい何年生なのかもわからないけど)
歌を歌ったり、絵を描いたり、外で遊んだり・・・
遠足や運動会などの特別な催し物がない時は、だいたいこうなんだって。
お昼の時間まで、思いっきり遊びまくってしまった。
そして、やっぱり・・・ここでのお約束。お昼はしょくぱんまんの配達してきた食パンを食べることになった。
しょくぱんまんは、直接教室の中まで配達しているみたい。ここで初めて生の正義の味方を拝見することができた(って言っても、夢なんだよね)
しょくぱんまんの印象は、なんて言うか・・・あのまんま。本当に
『しょくぱんまんさま』
なんだ。
丁寧な口調で、どことなく王子に見えるのはアニメのドキンちゃんのせいか?!
「どうかしましたか?」
なんて・・・あっ、しまった。つい、そのキラキラと輝く笑顔(バックに薔薇をしょってそう/笑)に見入っていたから。
「今日のカバオくん、変なんだよね〜〜」
「そうそう」
って、クマの男の子とウサギの女の子がしょくぱんまんの前で言っていた。
しょうがないでしょ?本当のカバオじゃないんだから。
「大丈夫、なんでもないよ」
私がそう言うと、しょくぱんまんは安心したのか次の配達に向かっていった。
あぁ、カバオじゃなくて女の子のキャラだったら、もう少ししょくぱんまんに気遣ってもらえたかもしれないのに。
ちょっぴり残念な気もしたケド、本命はばいきんまん。別にしょくぱんまんなんて(しょく様ファンの方、ごめんなさい)
でも、やっぱり、しょくぱんまんの食パンはおいしかった。この食パンって、誰が焼いてるのかなぁ???まさか、しょくぱんまんの手作り??! すっごい貴重な体験だよ!!!
昼食が終わると、少しのんびりと過した後、まもなく下校になった。
「カバオ君。みんなで野球するんだけど、カバオ君も来るよね?」
クマの男の子が聞いてきた。
その子の後ろに、同じクラスの仲間がほとんど揃っている気が・・・全員参加か?当然一緒に遊ぶと思っているみんなの表情を見ていると、何だか断りにくい。
でも、これだけは譲れない。折角この世界にいるんだから・・・
「ごめん。僕・・・どうしても今日だけは」
「どうしたの?何かあったの?」
今度はネコの女の子が聞いてきた。
まさか、
『ばいきんまんに逢いに行きたいから』なんて言えないよね・・・
「うん・・・ちょっと。ごめん、また明日ね」
そう言って、とにかく走ってその場を後にするしかできなかった。
時間が無いかもしれないから。
ばいきんまんに逢えなかったら、たとえ夢でも後悔するにきまっている。
私は、どうにかしてばいきんまんに逢う方法を考えていた。
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